時空間秩序・生命物理研究室

 

京都大学 理学研究科 物理学第一教室
時空間秩序・生命物理研究室 講師
市川正敏  博士(理学)

研究テーマ: ソフトマター物理、非線形・非平衡の物理、生命物理
email: ichi<a>scphys.kyoto-u.ac.jp
Access: http://www.scphys.kyoto-u.ac.jp/access.html
     理学部5号館 231号室

 

市川よりみなさんへ

 この研究室はソフトマターや非線形・非平衡の物理、生命現象の物理を研究しています。敢えて一言で表すと、「生き物らしさは何処から来るか?」を研究しているラボであると言えます。何をもって生き物らしいと感じるか、思うかは、人の数だけ見方が異なるでしょう。その切り口の数だけ研究テーマがあります。生き物そのものを対象としたり、生き物らしさを抽出したモデル実験系で研究を行ったり、分子や相の物理化学的挙動から生命現象を説明しても良いでしょう。生き物から離れてソフトマターや非平衡系の課題に取り組むのもありです。我々は、生き物を研究する事を目的とはしていません。その様な非線形非平衡なシステムにおける物理学的な課題を解決・発見する事を主眼にしつつ、物理、すなわち物の理で理解できる分野を切り開いていく事を目的としています。
 10年、20年後に新しい物理領域となるような研究分野を一緒に作って行こう、或いは自分が創る!という方々を歓迎します。

 具体的な研究内容については、HPの研究内容や論文概要を読んでみて下さい。学部学生諸氏は研究室に来て院生達と議論するのが最も参考&勉強になると思います。

 

 

論文とその概要

 最近の論文についての概要です。  上に戻る  リスト

 

"Non-periodic oscillatory deformation of an actomyosin microdroplet encapsulated within a lipid interface"
Yukinori Nishigami, Hiroaki Ito, Seiji Sonobe, Masatoshi Ichikawa
Scientific Reports 6, 18964 (2016).
アクティブにゆらぎつつ形を変える人工細胞的なものを創りました。ミクロ液滴内にアメーバのアクチンとミオシン[PLoS ONE, 0070317/1-9 (2013)]を封入したもので、実験系は下の[Phys. Rev. E 92, 062711 (2015)]と同じものです。液滴内部表面に再構成させたcortexが収縮を始める前、液滴内部に自律的に形成されたアクトミオシンの構造によって界面が応力を受け、それが液滴表面の激しいゆらぎになっている事を発見しました。この界面ゆらぎは熱揺らぎよりも遥かに大きいもので、分子モーターの力生成と自己組織化が生み出した、非平衡の界面ゆらぎです。本論文ではこの界面ゆらぎのパワースペクトルやサイズ依存性等を調べ、その性質を明らかにしました。大まかには、大きい振幅のへこみ変形がアンサンブル平均としてランダムな場所、時間で発生し、その時間相関が10sのオーダーでした。また、興味深い事に内部の構造体の対称性が大きく破れると、それに応じて界面ゆらぎの頻度や振幅も局在化し、特異な変形を見せました。この界面ゆらぎと変形を更に推し進める事で、細胞運動を再現するモデルを作る事が出来ると期待できます。

 

"Wrinkling of a spherical lipid interface induced by actomyosin cortex"
Hiroaki Ito, Yukinori Nishigami, Seiji Sonobe, Masatoshi Ichikawa
Phys. Rev. E 92, 062711 (2015).
ミクロ液滴表面に再構成した actomyosin cortex が自己収縮するに伴い、液滴界面が座屈変形する現象を発見しました。筋肉を収縮させる分子モータであるアクチン(actin)とミオシン(myosin)は、単一細胞レベルでも多くの動的現象で重要な役割を担うタンパク質でです。アクトミオシン(actomyosin)とも呼ばれるその2種のタンパク質の組み合わせは、細胞分裂や細胞運動、胚発生など、細胞の変形や運動の中で能動的な力生成を行っているとされています。その様な細胞運動の中でも特にブレッビング運動は、細胞表面直下のアクトミオシンのネットワーク構造、actomyosin cortex の収縮によって駆動されています。Actomyosin cortex どの様に収縮するのか、それらがどの様な境界条件の時にブレッビング運動が生まれるのか、その様な物性的、物理化学的な性質を調べるとき、少数の要素のみからモデルを再構成する実験系が力を発揮します。実際、再構成モデルを用いた研究は、アクトミオシンから発生する能動的な収縮力が、細胞運動と似た運動を生み出せる事を示してきています。この様な研究の流れの中で本研究は、脂質一分子膜を備えた油中水滴の中に actomyosin を封入し、その膜の内側に cortex を再構成させました。時間の経過と共に actomyosin は ATP を消費していきます。すると、ミオシン周りのATPが次第に枯渇し、ミオシンがアクチンフィラメントと結合してる時間が伸びていきます。そのとき、ミオシンは実質的な cross linker となり、cortex内部に応力を溜め込んでいきます。この応力によってcortexは面方向に収縮します。本系でもそれが「しわ (wringkling)」の発生原因になっていると考えました。cortexの収縮力、界面張力や曲げ剛性を入れたモデルによってwringklingの要件を計算し、実験結果にフィットしました。その結果、モデルは実験で出てきたサイズ・曲率依存性のスケーリングを良く説明し、フィッティングパラメータとして出てきたcortexの実効厚さ約200nmは、実験の蛍光像や過去のcortexの報告と良い一致を示しました。液滴の曲率という細胞サイズの微小空間に、変形形状が依存するという興味深い結果が得られました。

 

"Dynamic clustering of driven colloidal particles on a circular path"
Shogo Okubo, Syuhei Shibata, Yuriko Sassa Kawamura, Masatoshi Ichikawa, and Yasuyuki Kimura
Phys. Rev. E 92, 032303/1-11 (2015).
ホログラフィック光ピンセットで作製した円軌道運動トラップに多数のビーズをトラップした時に顕れる集団運動を研究しました。マイクロメータースケールの水中での運動なので、例えば1粒子なら慣性項を無視して速度に比例した粘性抵抗だけ考える非常に単純な運動方程式だけで十分記述する事が出来ます。しかし、粒子数が増えるとそれぞれがそれぞれの位置と速度で影響を与えあう為に、多体相互作用が効いてくる非線形な運動系になってしまいます。粒子数が3つの時の円運動軌道上では、粒子がリミットサイクルを示す事が知られていました。本研究では、3粒子以上かつサイズ不揃いの系についての実験と、粒子間の流体相互作用をオセーンテンソルで近似した運動モデル、を比較検討しました。粒子の大きさに関する並びの組み合わせや、相空間での比較を通じて、定性的な運動に関しては円軌道モデルで説明できる事。定量的な点に関しても、円軌道に垂直な成分(ラジアル方向)の運動自由度を取り入れたモデルでほぼ説明できる事を明らかにしました。見た目でブラウン運動よりも遅い感じのゆっくりした運動でも流体力学が記述するところの相互作用が働くのは教科書的には当たり前ですが、人間の運動感覚からは外れるので毎回不思議な感覚を覚えます。

 

"Droplet-Shooting and Size-Filtration (DSSF) Method for Synthesis of Cell-Sized Liposomes with Controlled Lipid Compositions"
Masamune Morita, Hiroaki Onoe, Miho Yanagisawa, Hiroaki Ito, Masatoshi Ichikawa, Kei Fujiwara, Hirohide Saito and Masahiro Takinoue
ChemBioChem 16, 2029-2035 (2015).
油中液滴が別の油水界面を透過する事でリポソームなる現象を、デバイスとして簡易に利用できるようにした、という研究です。デバイスとしては無駄な容量が極めて少ない点やリポソームの大きさが揃っている点に特徴があります。また、PDMS製のマイクロ流体デバイスを用いた同じ原理のリポソーム作成流路との比較で言うと、もはるかに安価で迅速なシステムで、少量作成から無駄が少ないというのが利点となっています。論文ではかなり広範な溶液組成のものをリポソームの内部に封入できますというデモンストレーションや、二分子膜性の検証、[Soft Matter 9, 9539 (2013)]で提案した理論との比較を行っています。デバイスは瀧ノ上研究室に詳細な解説があります。

 

"Oscillation and collective conveyance of water-in-oil droplets by microfluidic bolus flow"
Takuya Ohmura, Masatoshi Ichikawa, Ken-ichiro Kamei and Yusuke T. Maeda
Appl. Phys. Lett. 107, 074102/1-5 (2015).
直線状のマイクロ流路の中に大小の液滴を交互に連続的に流すと、小液滴が大液滴間を前後方向に振動運動するという研究です。大水滴間のある領域に小物体をトラップ出来るというもので、ミクロ領域での能動的輸送に利用できるかもしれません。類似の現象としては、血管を流れる赤血球の間にその様な領域が有る事が報告されています。本研究では、その様な大小水滴を作成するデバイスを設計し、大水滴間隔を制御した結果や振動の軌道などを格子ボルツマン法を用いたシミュレーションと比較しました。その結果、進行方向に垂直な2つの自由度と、大液滴が流体であることなどが、トラップや振動の発生を決定づける事が明らかになりました。

 

"Molecular behavior of DNA in a cell-sized compartment coated by lipids"
Tsutomu Hamada, Rie Fujimoto, Shunsuke F. Shimobayashi, Masatoshi Ichikawa and Masahiro Takagi
Phys. Rev. E 91, 062717/1-5 (2015).
DOI: 10.1103/PhysRevE.91.062717
脂質一分子膜で包まれた油中水滴とその内部に有るDNA分子の相互作用を調べた研究です。細胞は生物の基本単位であり、細胞内の生化学物質がどこに居てどの様に働くかは生命活動にとって非常に重要です。例えば、DNAやRNAなどの核酸分子がどこに居るかは、細胞の蛍光観察などを通じて多くの研究がなされていますが、その物理化学的なメカニズムに関しては殆ど研究されていません。今回、膜界面を持つマイクロメーターサイズの微小な油中水滴というシンプルな系で、DNAが溶液中と膜面のどちらにどの様な形態で存在するのかという実験を行いました。その結果、DNAの膜表面吸着現象に関して液滴サイズに対する依存性が得られました。このメカニズムを説明する仮説として、多価の陽イオンの膜面への吸着に関して、エントロピーの寄与の中に液滴のサイズ依存性が入る事に着目し、計算を行いました。膜に吸着した陽イオンが橋渡ししてDNAが膜に吸着するというストーリーです。計算の結果、液滴が小さくなると実験と同様の傾向が出るという結果が得られました。これを検証する為に、吸着割合の液滴のサイズ依存の結果をフィットすると、パラメータ1つで実験と良く一致する事が示せました。一種の微小空間効果として興味深い結果です。

 

"Quantification of the Influence of Endotoxins on the Mechanics of Adult and Neonatal Red Blood Cells"
Hiroaki Ito, Navina Kuss, Bastian E. Rapp, Masatoshi Ichikawa, Thomas Gutsmann, Klaus Brandenburg, Johannes M. B. Pöschl, and Motomu Tanaka
J. Phys. Chem. B, 119, 7837-7845 (2015).
DOI: 10.1021/acs.jpcb.5b01544
赤血球に対する敗血症因子とその治療薬が赤血球膜に与える影響を1細胞観察で定量評価した研究です。細菌感染症の中でも特に重篤な症状である敗血症は、その致死率の高さと有効な治療法の少なさが問題となっています。敗血症の症状は様々ですが、有名なところでは、エンドドキシンで呼ばれるグラム陰性菌膜に存在するリポ多糖(LPS)の毒性があります。LPSの毒性も多岐に渡りますが、今回はサルモネラ菌から抽出したLPS-Re, LPS-Ra, とその基部であるlipid-A が赤血球に引き起こすechnocytosisと呼ばれる大きな変形と、それらに対する敗血症治療薬ぺプチドP-19の拮抗効果を測定しました。測定はマイクロ流体デバイス内の拡散チャンバーに赤血球1つ1つを光ピンセットで並べ、1細胞毎の変形挙動を顕微鏡画像で観察。赤血球の形状をフーリエ変換し、そのスペクトルをモデルでフィットして膜の張力、曲げ弾性、ずり弾性の係数を得ました。Flicker spectroscopyというこの形状解析手法は、1細胞がシグナルに対してどの様に変化したかをそれぞれの細胞に関して追う事が出来るため、細胞毎に異なる応答を示す場合などには多数の細胞での平均よりも多くの情報を得る事が出来ます。実験結果を端的に列記すると、リポ多糖の催変形性は、リポ多糖が大きい方が強く、成人赤血球よりも新生児赤血球に対して特に有感である事。LPSがずり弾性係数を上げ、曲げ弾性係数を下げる傾向にあり、P-19がそれらにいくらか拮抗する事などが分かりました。曲げ弾性係数の低下はリポ多糖の挿入による膜のパッキング不整の増加に依っていると予想されます。ずり剛性の増加はレオロジー測定による過去の報告と相似であり、確たる事は言えませんが膜の裏打ち構造への作用が効いていると予想されます。

 

"Mode bifurcation of a bouncing dumbbell with chirality"
Yoshitsugu Kubo, Shio Inagaki, Masatoshi Ichikawa and Kenichi Yoshikawa,
Phys. Rev. E 91, 052905/1-9 (2015).
DOI:10.1103/PhysRevE.91.052905
タワシを机の上にのせて机を細かく振動させると、タワシは並進運動をはじめます。そのとき一方向に運動するのはタワシに非対称性が有る為です。本研究ではダンベル形状の金属物体を加振板の上にのせた時に、物体が見せる運動モードの転移を詳しく調べました。加振強度を大きくしていくにつれて、ダンベルはランダム運動からダンベルの軸方向に進む並進運動、並進運動からダンベルの軸を中心にして転がり往復する転がりモードへと転移していく事が明らかになりました。本論文では特に、前後非対称性が無いにも関わらず一方向運動する点に着目し、メカニズムの解明を行いました。転移挙動をダンベルの特徴を取り入れた計算機シミュレーションで再現して実験と比較すると共に、分岐付近での力学的な構造を考え、運動方程式を調べました。ダンベルの左右は最初ランダムに跳ね上げられてランダム運動します。ある加振強度に達すると、ダンベル左右のうち振幅の大きい方が周期解として記述される運動に入れるようになります。これだけだと周期運動から出る事も可能ですが、もう少し加振強度が強くなると小さい振幅の側の減衰が相対的に速くなり、片側だけが周期運動するモードに対する擾乱がどんどん小さくなります。このとき片側の周期運動には線形安定性が有るので、結果としてリミットサイクルの様になります。この解析で、運動モード転移に見られるヒステリシスや反発係数(素材)の違い、転移点の依存性などを良く説明できた事から、並進運動への転移に関しては十分な理解が得られました。自発的な対称性の破れとして面白い現象だと考えます。

 

"Dynamics of microdroplets over the surface of hot water"
Takahiro Umeki, Masahiko Ohata, Hiizu Nakanishi & Masatoshi Ichikawa,
Scientific Reports 5, 8046/1-6 (2015).
doi:10.1038/srep08046
Selected for 注目の論文(日本語)
 熱いコーヒーの表面に見える白い膜に気づいたことは有りますでしょうか。水面に張り付いているそれは、水蒸気の上昇気流でゆらぎますが、時に異様に速く割れ目が走ります。この現象は緑茶や紅茶にも見られ(抹茶やカプチーノの様な表面が泡で覆われたものでは見えません)、古くは寺田虎彦がその随筆で触れています。ちなみに単なる熱湯でも観察されます。さて、亀裂にも似た幅1 mm程の裂け目は、不思議なパターンを見せます。このパターンは溶液の対流パターンと対応しているに違いないと、アメリカの研究者が指摘していました。しかし、その実態や亀裂がどの様に生じるかは分かっていませんでした。我々はこの現象を、高速度ビデオカメラを取り付けた顕微鏡を用いて観察し、以下のような興味深い事実を明らかにしました。1) この白い膜は、大きさが10 μm程度で比較的大きさのそろった微小水滴からなる。2) 水滴は、水面から10~100μm直上に浮揚している。3) 膜の亀裂は水滴の集団的な消失で、速度が1~2 m/sの表面波の波面と共に伝播する。4)たった一つの水滴の消失による水面の攪乱をきっかけに引き起こされる。

 

"Emergence of DNA-Encapsulating Liposomes from a DNA-Lipid Blend Film"
Shunsuke F. Shimobayashi and Masatoshi Ichikawa,
J. Phys. Chem. B 118, 10688-10694 (2014).
 ゲノムサイズの長いDNAをその内部に封入した細胞サイズリポソームを効率的に作成する手法を新たに開発しました。細胞サイズのリポソームを作成する手法は複数ありますが、大きく2系統に分ける事が出来ます。1つは油中液滴を形成させる方法、もう1つは乾燥フィルムから形成させる方法です。両者とも長所短所有りますが、こと高濃度の生体高分子を封入する方法としては、前者の油中水滴による界面透過法が殆ど唯一の選択肢でした。今回、リポソーム形成メカニズムを詳細に検討する事で、後者のフィルムからの方法で界面透過法に迫る濃度での効率的形成に成功しました。端的には、静置水和法(simple hydration)の改良である湊元methodと、dehydration-rehydration法の良いとこどりです。更に、リポソーム形成時に顕れる現象を、絡まり合う高分子のダイナミクスや粘弾性相分離といったソフトマター物理の知見を生かして解析する事で、特に長いDNAの封入効率を劇的に高める事が出来ました。工学的には前者の界面透過法とその親戚が現状でベストであり、それに対する本手法の際立った優位点は大量生産に対するスケーラビリティです。一方、学術的な意義として、細胞内部のような高濃度の生体高分子溶液を封入したリポソームが自然な条件設定で自発的に出来うる事を示した本研究は、生命発生、特に細胞のはじまりを探求する研究として興味深い結果を出したと考えています。

 

"Communication: Mode bifurcation of droplet motion under stationary laser irradiation"
Fumi Takabatake, Kenichi Yoshikawa, and Masatoshi Ichikawa,
J. Chem. Phys. 141, 051103 (2014).
 レーザー光によって局所加熱されたcmサイズの液滴が、光強度に応じて自律的に運動モードを変化させる事を実験的に示しました。光が弱いときから順に、静止、ランダム、往復、回転、と運動モードを変化させます。この結果は、PRE 87, 013009 (2013)を実験によって検証したものに相当します。流動パターンと液滴の動きは先の論文における予想とほぼ同じであり、本研究によって十分に検証されたものと考えています。一方で、実験的な見地からは、また別の転移を含んでいる可能性を指摘しました。適当な時間遅れ、例えば慣性的な振る舞いによっても、同様の転移を見せる可能性があります。

 

"Microrheology of polysaccharide nanogel-integrated system"
Yurina Sekine, Kimiko Okazaki, Tomoko Ikeda-Fukazawa, Masatoshi Ichikawa, Kenichi Yoshikawa, Sadaatsu Mukai and Kazunari Akiyoshi,
Colloid and Polymer Science, 292(2), 325-331 (2014).
 ナノゲルによって形成された凝集構造の粘弾性をマイクロレオロジーによって測定した研究です。ナノゲルはドラッグデリバリーなど様々な応用が期待されていますが、造ったナノゲルの物性評価は粒径を測る他は難しいものでした。原料によってはマイクロメーター以上の大きさのゲルが出来ない種類もあり、素材からの推定も難しいものもあります。この研究では、マイクロレオロジー測定によってナノゲルの粘性と弾性を測りました。単粒子ではマイクロレオロジーでも難しいのですが、その凝集体を測る事で物性評価が可能である事を示しました。ナノゲルの特性評価は合成の指針として重要な情報となっています。そに新たなモノサシを導入した研究と言えます。

 

"Back-and-forth micromotion of aqueous droplets in a dc electric field"
Tomo Kurimura, Masatoshi Ichikawa, Masahiro Takinoue, Kenichi Yoshikawa,
Phys. Rev. E 88, 042918/1-5 (2013).
 ノイズで振動状態が安定化する50μmスケールの微小なリミットサイクル振動子を実現した研究です。対向針電極の間に油中水滴を置き、電極に直流電圧を掛けると、液滴球が電極によって帯電し、静電反発する事で対面の電極に飛ばされ、それを繰り返します。同様の往復振動はマクロな系や、金属球などでも起こります。本研究ではそれを微細化して、駆動電圧を大きく下げる事に成功しました。このとき、静電と誘電の両方の効果を考慮する事で、この水滴運動の系がリミットサイクルと呼べる系である事が明らかになりました。低次の対称性を考慮した水滴の運動方程式を立て、安定状態から振動状態への分岐を線形安定性解析すると、ホップ分岐の線が V~L^(3/2)という、非自明なスケーリング則を取る事が導けます(V電圧、L電極間距離)。このスケーリング則を実験と比較すると、過去の結果も含めて良好な対応があることが分かりました。さらに、電圧にホワイトノイズ(1Vpp)を印加すると、閾値電圧以下の条件にもかかわらず、非常に安定な振動が開始・維持されました。これは、確率共鳴の仲間として coherent resonance と呼ばれている現象に相当します。熱揺らぎの下で、スムーズな運動をすることのできるミクロモーターとして、今後の発展が期待できます。

 

"Dynamical formation of lipid bilayer vesicles from lipid-coated droplets across a planar monolayer at an oil/water interface"
Hiroaki Ito, Toru Yamanaka, Shou Kato, Tsutomu Hamada, Masahiro Takagi, Masatoshi Ichikawa, and Kenichi Yoshikawa,
Soft Matter, 9 (40), 9539-9547 (2013).
Front cover
highlighted on the Soft Matter blog
 油中水滴の界面透過のメカニズムを速度過程の面から明らかにした研究です。脂質2分子膜の小胞はリポソームとも呼ばれ、細胞膜の膜だけ再構成した入れ物として、人工細胞等の「うつわ」として利用されてきました。その様な研究は50年ほどの歴史が有りますが、実際のところ、細胞の中味の様な高濃度溶液でリポソームを作成する事は困難でした。その問題点を克服したリポソーム作成手法として、界面透過法という方法が最近盛んに使われるようになっています。脂質の1分子膜を伴った油中水滴を、別の油水界面を通過させる事で2分子膜小胞をつくるこの手法は、マイクロピペットやマイクロ流体デバイスなどを応用した様々な派生手法が有りますが、いずれも油水系で1分子膜+1分子膜プロセスという点は共通です。この論文はそのプロセスを速度過程の面から明らかにしました。まず、液滴の透過は自発的に起こりますが、だいたい途中で引っかかります。この速度過程を横倒しにした顕微鏡光学系で観察しました。次に、その透過ダイナミクスを理論解析(単純に言うと界面の発展方程式を球面で考えたもの)すると、実験の傾向と一致する事が示せました。大きな液滴は透過の最後の方で遅くなり、小さな液滴は最初のバリアが高いという結果です。更に、これを半静的な測定で検証したみたところ、よい一致が得られました。界面透過法の中で最も重要なプロセスのメカニズムが明らかになった事で、様々な派生手法の設計にも役に立つと期待できます。

 

"Structural Change of DNA Induced by Nucleoid Proteins: Growth Phase-Specific Fis and Stationary Phase-Specific Dps"
Yuko T. Sato, Shun Watanabe, Takahiro Kenmotsu, Masatoshi Ichikawa, Yuko Yoshikawa, Jun Teramoto, Tadayuki Imanaka, Akira Ishihama and Kenichi Yoshikawa,
Biophys. J., 105(4), 1037-1044 (2013).
 大腸菌のnucleoid proteinによって起こるDNAの凝縮転移をみた研究です。大腸菌はエサや環境に応じて増殖期と休眠期をとる事が知られています。このとき、ゲノムDNAと共に大腸菌のなかで凝縮状態(核様態)を作っているタンパク質が切り替わっている事が明らかになりました。真核生物で言えば、ヒストンタンパクが切り替わっている様なものです。この論文では、その切り替わっているタンパク質の中でそれぞれ発現量が多いFisとDpsというタンパク質を用い、DNAの凝縮転移を測定しました。仔細を省くと、Fis(増殖期)の場合は広い共存状態からゆるい凝縮状態へ、Dps(休眠期)の場合は多くの中間的状態を見せつつ凝縮するような振る舞いを示しました。Nucleoid proteins の精製は難しい為、DNAに作用させて物理化学的な機能を測定できたことは画期的です。ここからは予想ですが、 増殖期では頻繁な細胞分裂が起きる為、ゲノムの展開と凝縮を効率よく起こす必要が有ります。広い共存状態と何某かの外力はこの様なスイッチには適しています。一方、休眠期ではゲノムは活動を低下させますが、少しでも環境が戻れば節約しつつそれを使ってエサを求めて旅立ちたいところです。この様な連続的、あるいは特定の場所だけを少しずつ展開したいという用途には、多くの中間状態は便利であると思えます。

 

"Reconstruction of active regular motion in amoeba extract: Dynamic cooperation between sol and gel states"
Yukinori Nishigami, Masatoshi Ichikawa, Toshiya Kazama, Ryo Kobayashi, Teruo Shimmen, Kenichi Yoshikawa, and Seiji Sonobe,
PLoS ONE, 0070317/1-9 (2013).
 アメーバ細胞から取り出したアクトミオシン系を用いてブレブ運動をするモデル系を作った研究です。粘菌のアメーバ状態の方では無く、原生動物の Amoeba Proteus の方です。アメーバ細胞を初めとして様々な細胞には、ブレブ(bleb)という小さなたんこぶを作っては引っ込めるという動きを行う機能があります。 この動きをブレッビング(blebbing)と呼ぶのですが、この blebbing は一部の細胞においては細胞運動(移動)にも利用されているのではないかと言われています。アメーバはその典型例です。このbleb運動のメカニズムを研究する中で、破砕したアメーバ細胞の分画から取り出したアクチン繊維、ミオシンバンドル、ATP他細胞質を最小限の構成要素として、 bleb運動を自発的に行う再構成モデル系を創る事に成功しました。このモデル系の検討を通じて、actomyosin cortex (アクトミオシンの殻)で継続的に発生している収縮張力がblebの駆動力である事、アクトミオシンゲルのレオロジー(流動特性)が「止まるbleb」では無く「動いていくbleb」運動の源である事が確認されました。まだ分かっていない事だらけですが、特別なプロセス無しにアクトミオシンゲルの物性それ自体によってアメーバ運動+原形質流動に似た動きが可能である事を示した点が示唆的です。この物性の調整に関わる上下流のシグナルを研究する事で、実際のアメーバ運動の中での物性の役割が明らかになっていくものと期待できます。

 

"Controlling negative and positive photothermal migration of centimeter-sized droplets"
Masatoshi Ichikawa, Takafumi Iwaki, Fumi Takabatake, Keitaro Miura, Nobuyuki Magome, Kenichi Yoshikawa
Phys. Rev. E 88, 012403/1-8 (2013).
Image selected for PRE "Kaleidoscope"
 マランゴニ効果を利用して液滴を力学操作した研究です。水面上に浮かべた油滴を細いレーザー光によって局所加熱すると、マランゴニ効果によって液滴内外に対流が発生し、液滴が動き出します。この時、界面活性剤の濃度に応じて、加熱点であるレーザー光焦点に向かう引力的な動きと、逃げる斥力的な動きとに、運動モードが分かれることを発見しました。実験とシミュレーションを突き合わせる事で、水-空気間の界面張力と油滴表面の界面張力との温度依存性のバランスが引力・斥力を決める事が分かりました。簡単に言えば、液滴に発生するマランゴニ対流は引力的な運動を起こし、水-空気界面に発生するマランゴニ対流や3相接触線に係る界面張力は斥力的な運動に寄与します。これらは、競合のつり合い付近や、変形や加熱の強い非線形領域などに於いて、該当しない条件も探せますが、概ね広い領域で成り立ちます。また、マニピュレーションの効率の面で言えば、投入した光の運動量と比べて60倍以上の効率を出せる事が分かりました。これは、光ピンセットの様な光の反射や屈折で物体を動かしているのではなく、加熱と界面張力を介して運動エネルギーを得ているからです。光ピンセットと比べて、大きな物体を対象に6ケタ大きな運搬力を発生させる事が出来るこの方法は、ミクロからセンチの物体の非接触操作法として有望です。

 

"Plasmonic Imaging of Brownian Motion of Single DNA Molecules Spontaneously Binding to Ag Nanoparticles"
Ken Hirano, Tomomi Ishido, Yuko S. Yamamoto, Norio Murase, Masatoshi Ichikawa , Kenichi Yoshikawa, Yoshinobu Baba, and Tamitake Itoh,
Nano Lett., 13 (5), 1877-1882 (2013).
 銀ナノ粒子をDNA分子のプローブにした研究です。表面プラズモン共鳴を可視光から近赤外域で実現する物体として、銀のナノ粒子は最適な物体の一つです。量子ドットなどと同様に、暗視野観察や蛍光観察を通して、カラフルに光るナノ粒子を見る事ができます。今回、マンガンイオンが銀ナノ粒子とDNA分子を特に良く橋渡しし、DNAに銀ナノ粒子が適度に吸着する事を発見しました。条件を検討すると、DNAの状態を調整しつつ、1個対1本や、複数個の粒子を1本のDNAにくっ付ける事が出来ます。異なる色を発する複数の銀ナノ粒子を、1本の直鎖状のDNA分子に吸着させたとき、DNA分子の内部ゆらぎを可視化する事が出来ました。ゆらぎは高分子理論から導かれるものと良く一致しており、DNAを出来るだけ非修飾な状態で測定する手段として良い特性を持っています。この銀ナノ粒子は、通常の蛍光分子や量子ドットに比べて退色、活性酸素の発生や間欠発光等の点で利点をもっており、DNAをはじめとした分析プローブとしての応用が期待されます。

 

"Rotational motion of a droplet induced by interfacial tension"
Ken H. Nagai, Fumi Takabatake, Yutaka Sumino, Hiroyuki Kitahata, Masatoshi Ichikawa, and Natsuhiko Yoshinaga,
Phys. Rev. E 87, 013009 (2013).
 自発運動する2次元系の液滴に関して、その駆動力の大きさによって運動モードが転移する事を示した論文です。液滴の表面の1点に界面活性剤が存在し、そこから表面張力勾配が発生していると、マランゴニ対流によって液滴は自発運動を開始します。まずは平泳ぎの様な2つロールによって直進運動を開始しますが、駆動力が大きくなると界面活性剤の拡散と移流によって決まる表面張力分布に応じたマランゴニ対流の解に関して、回転を司る高次の項が値を持ってくることが分かりました。実験[F. Takabatake, JCP 134, 114704 (2011)]にあてはめて考察すると、液滴のサイズが中ぐらいの大きさ領域の時に回転を示す事になります。この振る舞いは実験結果を良く再現しています。化学マランゴニだけでなく熱マランゴニによる自発運動についても同様の現象が予言されます。

 

"Physicochemical analysis from real-time imaging of liposome tubulation reveals the characteristic of individual F-BAR domain proteins"
Tanaka-Takiguchi, Yohko; Itoh, Toshiki; Tsujita, Kazuya; Yamada, Shunsuke; Yanagisawa, Miho; Fujiwara, Kei; Yamamoto, Akihisa; Ichikawa, Masatoshi; Takiguchi, Kingo
Langmuir 29 (1), 328-336 (2013).
 下の論文が脂質膜とタンパク質のモデル実験系に応用されました。F-BARタンパク質という、膜に突起やチューブを生成させると言われているタンパク質を脂質膜小胞(リポソーム)に加えると多数のチューブを形成します。このF-BARを何種類かに関してリポソームに作用させると、多量にチューブが形成するグループと少量のチューブが良く伸びるグループに分かれました。下の手法を使って膜の堅さを定量化すると、F-BARによるチューブの補強も同様のグループに分かれます。このグループは分子系統樹と良く符合しており、興味深い結果です。これら物理化学的な性質と生化学的な機能との関連を見出す事が今後の課題です。

 

"Direct measurement of single soft lipid nanotubes: Nanoscale information extracted in a noninvasive manner,"
Akihisa Yamamoto and Masatoshi Ichikawa,
Phys. Rev. E. 86, 061905 (2012).
 中空の脂質ナノチューブのダイナミクスを測定する事で、その脂質チューブの太さや膜剛性率など、光学測定が困難な物理量をパッシブな手段で得られる事を示しました。アンサンブル測定では無く、1本1本を対象とした非破壊的な測定なので、個別のナノチューブをそれぞれ測る事ができます。解析手法としては、高分子物理と膜の物理のミックスとなっています。鮮明な全体像を取得する為に擬2次元セルを使うなど、少し凝った実験をしていますが像さえ撮れれば3次元でも実行可能です。細胞で起こる現象や非平衡過程などの、その1本を測りたい状況に力を発揮します。

 

"Phase separation in crowded micro-spheroids: DNA-PEG system,"
Nupur Biswas, Masatoshi Ichikawa, Alokmay Datta, Yuko Sato, Miho Yanagisawa and Kenichi Yoshikawa,
Chemical Physics Letters, 539-540(29), 157-162 (2012).
 ミクロサイズの液滴の中に高濃度のDNAとPEGを閉じ込め、その中で起こる相分離を観察しました。相分離の際にDNAリッチ相が液滴界面から成長していく点が面白い現象です。DNAリッチ相はしばらく待つと液晶相へと変化します。論文には相互作用に関して色々書いてありますが、実際には大きい曲率(接触角が稼げるジオメトリ)を持った界面から結晶成長しやすいという割と一般的な現象が根元に有る、という一言で済みます。 落着した液滴のふちからの成長が最も早い事もそれが理由の一つでしょう。


"Emergence of a thread-like pattern with charged phospholipids on an oil/water interface,"
Hiroaki Ito, Miho Yanagisawa, Masatoshi Ichikawa and Kenichi Yoshikawa,
Journal of Chemical Physics, 136, 204903 (2012).
The Journal of Chemical Physics, Editors' Choice for 2012
 エマルジョンにおける油水界面で観察されたミセルの特異な凝集パターンの研究です。油水界面に脂質の1分子膜を形成させる際、負荷電のPS系の脂質を用いると、拡散律速凝集(DLA)の様なパターンが表面に顕れました。DLAに見えますが、画像解析すると数μm程度の構造が出てくるパターンです。パターンの主体はPSのミセルであり、荷電の相互作用とDLAの両方を考慮する事で実験結果を検討しました。界面凝集に関して静電反発の効果がパターンに陽に顕れた例として興味深い結果です。

 

K. Hirano, M. Ichikawa, T. Ishido, M. Ishikawa, Y. Baba and K. Yoshikawa, "How Environmental Solution Conditions Determine the Compaction Velocity of Single DNA Molecules," Nucleic Acids Research, 40(1), 284-289, (2012) .
 DNAにスペルミジンやPEG+塩などの凝縮剤を混ぜると凝縮転移を起こすのですが、その転移過程(キネティクス)を1分子で計測した研究です。DNAをマイクロ流路の中で流動伸長する事で、凝縮剤投入からのDNA高次構造転移の速度過程を追う事が可能になります。この実験により、自由エネルギー差が大きくなると転移速度が上がる事が明らかになりました。相転移の界面進行や化学反応論に沿う結果ですが、細かく定量するには蛍光光度と撮像速度が技術的な壁となります。

 

M. Yanagisawa, N. Shimokawa, M. Ichikawa and K. Yoshikawa, "Micro-segregation induced by bulky-head lipids: Formation of characteristic patterns in a giant vesicle," Soft Matter, 8, 488 (2012).
 GPIアンカーなどの「頭でっかち」の膜成分が有った時に、相分離が物理化学としてどうなるか、という研究です。やや短めのPEG修飾をでかい頭として使っています。実験結果は、相分離のドメインが細かくなるというものでした。また、このドメインの細分化がある閾値を超えると急に顕れるのですが、ドメイン境界への影響を計算した理論によってその挙動が裏付けられました。ラフトなどのナノサイズのドメインが形成される物理化学的な機構との関連に興味が持たれます。


F. Takabatake, N. Magome, M. Ichikawa, and K. Yoshikawa, "Spontaneous mode-selection in the self-propelled motion of a solid/liquid composite driven by interfacial instability," The Journal of Chemical Physics 134, 114704 (2011).
 水面に浮かべた、油滴と石鹸の連結物体が見せる自発運動の研究です。石鹸から溶けだす界面活性剤が油水界面の界面張力を下げると、その張力勾配に応じてマランゴニ対流が発生します。その対流は液滴内外に平泳ぎの様に発生し、物体を推進します。この時、石鹸が大きくなるに従って運動モードが自転、直線、公転運動へと切り替わっていく事が発見されました。運動の対称性から現象論的なモデルを当てはめています。運動モード変化の具体的なメカニズムは今後の課題です。


T. Kishita, N. Kondo, K. Takahashi, M. Ichikawa, J. Fukuda and Y. Kimura, Interparticle force in nematic colloids: Comparison between experiment and theory, Physical Review E 84, 021704 (2011).
 ネマチック液晶中にコロイド粒子を分散させた系をネマチックコロイドと呼びます。液晶の弾性エネルギーに関して変分をとると、ラプラス方程式が出てきます。つまり、静電気学とアナロジーが成り立ちます。例えばコロイド粒子の存在やそれに付随する転傾欠陥などは、正負の荷電(±1/2, ±1, ...)に対応します。配向ベクトルの反転対称性が半電荷の存在を許します。さて、ネマチック液晶中のコロイド粒子はその周りに逆荷電の欠陥を生成するので、双極子(条件によっては四重極子)として振る舞う事が知られています。このとき、大きさが異なる双極子同士の相互作用 [T. Kishita, PRE 81, 010701] と共に、四重極子との相互作用も研究したのがこの論文です。四重極子欠陥対はこの場合、土星の様なものとなります。即ち、主星がコロイド粒子で、サターンリングと呼ばれる輪が転傾欠陥です。サターンリング欠陥は安定条件が狭く、全体の配向力と粒子表面のアンカリングの力を絶妙にバランスさせる必要があり、実験的に得る事は非常に難しいものでした。今回はこの結果も併せて検討しています。実験結果はシミュレーションとも高い精度で一致しています。


M. Negishi, M. Ichikawa, M. Nakajima, M. Kojima, T. Fukuda and K. Yoshikawa, "Phase behavior of crowded like-charged mixed polyelectrolytes in a cell-sized sphere," Physical Review E 83, 061921 (2011).
 脂質二分子膜の小胞はリポソームと呼ばれ、人工細胞のモデルとして盛んに研究されています。しかし、実際の細胞の様な高濃度のタンパク質や荷電高分子を内包する事は現時点では非常に困難です。この論文は、小空間に高濃度の生体高分子を内包する目的で、界面が一分子脂質膜の液滴を使用しました。アルギン酸ナトリウムとT4DNAを高濃度で封入したところ、液滴のサイズが小さくなるに従って相分離が誘起されるほか、膜部分と体積部分への異方的集積を主体とした、特異な相挙動が発見されました。ちなみに通常の試験管や巨大液滴では相分離が起きない条件を明らかにした上で実験を行っています。これは界面面積比の増大による界面誘起の相分離と言えます。詳細な機構として、フローリーハギンスタイプの相分離モデルの中に、同荷電同士の反発力に起因する静電枯渇力を含めた相互作用の項を追加する事で、実験の挙動を定性的に説明しました。モデルの中では微小空間効果として、体積面積の格子数比だけでなく、界面への相互作用の曲率依存が考慮されています。一分子では僅かな力しか働かない微小空間効果ですが、相挙動として協同的に効く事で、ナノでは無くマイクロメーターサイズで顕れてきた事に意義があります。

 

Naoki Yamamoto, Masatoshi Ichikawa, and Yasuyuki Kimura, "Local mechanical properties of a hyperswollen lyotropic lamellar phase," Physical Review E 82, 021506(1-8) (2010).
 二分子膜ラメラの中に入れたナノ粒子の動きには、ラメラの波うちダイナミクスが反映される、というマイクロレオロジーの研究です。中性界面活性剤C10E3が水中で形成するラメラ相は、その濃度を変える事で層間隔を制御する事が出来ます。層間隔十分に大きい時は、層間に存在するナノ粒子にとっては単なる擬二次元空間です。間隔が狭くなると膜の波うち構造の影響を受け、その時間領域の拡散係数に異常が出てきます。更に間隔が狭くなるとその波うちにトラップされるようになります。以上は、その時間領域の粘弾性として測定される事になります。一方、光ピンセットによってナノ粒子を牽引すると先の粘弾性をまずは受けるのですが、変位が大きくなると、粒子によって生じるラメラ構造の変形緩和が計測されることが分かりました。すなわち、変形を受けたラメラ構造が元の構造に緩和するまでは、構造の粘弾性を受けないという事です。マクロな粘弾性測定では顕れない、構造と対象に特異的な粘弾性挙動と言えるでしょう。生物の細胞の中にはラメラ的な構造など様々な構造が有りますが、その中での巨大分子の拡散は通常の拡散では無く、異常拡散であろうことは、簡単に想像がつきます。本研究のラメラ構造はその様な系を極限までシンプルにしたモデル系です。

 

Hitoshi Uemura, Masatoshi Ichikawa, Kimura Yasuyuki, "Crossover behavior in static and dynamic properties of a single DNA molecule from three to quasi-two dimensions," Physical Review E 81, 051801(1-7) (2010).
 空間的に拘束された高分子のダイナミクスの研究として、擬二次元空間に閉じ込めた長鎖DNA1分子のダイナミクスを測定した研究です。空間的な拘束は高分子性というものが特徴的に顕れる環境条件の一つです。通常の溶液中ではいわゆるランダムコイル形状をとっているDNA分子ですが、これをその大きさ以下のスリットに閉じ込めると、ブロブ理論で予想される様な形状、拡散、緩和が見られる事が明らかになりました。ここではスリット間隔がブロブの特徴的大きさに相当します。つまり、スリット間隔が狭くなると、DNAの広がりが大きくなり、拡散が遅くなり、緩和が遅くなる、という変化が起きる事になります。スリットサイズに対して上記の変化のスケーリングを測定すると、ブロブ理論から導かれるスケーリングと大きさと拡散について定量的にも一致する事が示されました。

 

Takahiro Kishita, Kenji Takahashi, Masatoshi Ichikawa, Jun-ichi Fukuda and Yasuyuki Kimura, "Arrangement dependence of interparticle force in nematic colloids," Physical Review E 81, 010701(R)(1-4) (2010).
 ネマチックコロイドの力学的相互作用を直接測定した研究です。ネマチック液晶の中にコロイド粒子を分散させたものをネマチックコロイドと呼びます。例えば、垂直配向処理したコロイド粒子1個に着目すると、液晶の配向場がもつ弾性エネルギー最小化の為に、コロイド粒子の傍に対となる欠陥が生じます。この粒子欠陥対は液晶配向場の中であたかも電気双極子の様に振る舞うのでダイポールとも呼ばれます。ちなみに、液晶の弾性力を特徴づける3つの弾性係数が同値だという近似の元では、静電場系とまったく同じ式となります。ただし、コロイド粒子には大きさが存在するので高次の多項式(四重極子、他)が後ろにくっついてきます。高次の項の内、同じ大きさ同士のコロイド粒子では対称性から消える項もあるので、高次の項を抜いたシンプルな双極子双極子相互作用の式で考えるのが一般的です。ここでは発想を逆転させ、異なる大きさのコロイド粒子を用いる事で、その差分から非対称項を直接測れるのではないか、と考えて実験を行いました。実際、光ピンセットを用いて精密に測定すると、期待通りに非対称項を決定することが出来ました。更に、液晶の配向場をオーダーパラメータにした Landau-de Gennes theory をベースとした連続体シミュレーションを行った結果、実験結果をほぼ完ぺきに説明できる事も分かりました。


 

論文リスト

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52. "Wrinkling of a spherical lipid interface induced by actomyosin cortex"
Hiroaki Ito, Yukinori Nishigami, Seiji Sonobe, Masatoshi Ichikawa
Phys. Rev. E , */ (accepted).

51. "Non-periodic oscillatory deformation of an actomyosin microdroplet encapsulated within a lipid interface"
Yukinori Nishigami, Hiroaki Ito, Seiji Sonobe, Masatoshi Ichikawa
Scientific Reports, */ (accepted).

50. "Dynamic clustering of driven colloidal particles on a circular path"
Shogo Okubo, Syuhei Shibata, Yuriko Sassa Kawamura, Masatoshi Ichikawa, and Yasuyuki Kimura
Phys. Rev. E 92, 032303/1-11 (2015).

49. "Droplet-Shooting and Size-Filtration (DSSF) Method for Synthesis of Cell-Sized Liposomes with Controlled Lipid Compositions"
Masamune Morita, Hiroaki Onoe, Miho Yanagisawa, Hiroaki Ito, Masatoshi Ichikawa, Kei Fujiwara, Hirohide Saito and Masahiro Takinoue
ChemBioChem 16, 2029-2035 (2015).

48. "Oscillation and collective conveyance of water-in-oil droplets by microfluidic bolus flow"
Takuya Ohmura, Masatoshi Ichikawa, Ken-ichiro Kamei and Yusuke T. Maeda
Appl. Phys. Lett. 107, 074102/1-5 (2015).

47. "Molecular behavior of DNA in a cell-sized compartment coated by lipids"
Tsutomu Hamada, Rie Fujimoto, Shunsuke F. Shimobayashi, Masatoshi Ichikawa and Masahiro Takagi
Phys. Rev. E 91, 062717/1-5 (2015).

46. "Quantification of the Influence of Endotoxins on the Mechanics of Adult and Neonatal Red Blood Cells"
Hiroaki Ito, Navina Kuss, Bastian E. Rapp, Masatoshi Ichikawa, Thomas Gutsmann, Klaus Brandenburg, Johannes M. B. Pöschl, and Motomu Tanaka
J. Phys. Chem. B, 119, 7837-7845 (2015).

45. "Mode bifurcation of a bouncing dumbbell with chirality"
Yoshitsugu Kubo, Shio Inagaki, Masatoshi Ichikawa and Kenichi Yoshikawa,
Phys. Rev. E 91, 052905/1-9 (2015).

44. "Dynamics of microdroplets over the surface of hot water"
Takahiro Umeki, Masahiko Ohata, Hiizu Nakanishi & Masatoshi Ichikawa,
Scientific Reports 5, 8046/1-6 (2015).

43. "Emergence of DNA-Encapsulating Liposomes from a DNA-Lipid Blend Film"
Shunsuke F. Shimobayashi and Masatoshi Ichikawa,
J. Phys. Chem. B 118, 10688-10694 (2014).

42. "Communication: Mode bifurcation of droplet motion under stationary laser irradiation"
Fumi Takabatake, Kenichi Yoshikawa, and Masatoshi Ichikawa,
J. Chem. Phys. 141, 051103 (2014).

41. "Microrheology of polysaccharide nanogel-integrated system"
Yurina Sekine, Kimiko Okazaki, Tomoko Ikeda-Fukazawa, Masatoshi Ichikawa, Kenichi Yoshikawa, Sadaatsu Mukai and Kazunari Akiyoshi,
Colloid and Polymer Science, 292(2), 325-331 (2014).

40. "Back-and-forth micromotion of aqueous droplets in a dc electric field"
Tomo Kurimura, Masatoshi Ichikawa, Masahiro Takinoue, Kenichi Yoshikawa,
Phys. Rev. E 88, 042918/1-5 (2013).

39. "Dynamical formation of lipid bilayer vesicles from lipid-coated droplets across a planar monolayer at an oil/water interface"
Hiroaki Ito, Toru Yamanaka, Shou Kato, Tsutomu Hamada, Masahiro Takagi, Masatoshi Ichikawa, and Kenichi Yoshikawa,
Soft Matter, 9 (40), 9539-9547 (2013).

38. "Structural Change of DNA Induced by Nucleoid Proteins: Growth Phase-Specific Fis and Stationary Phase-Specific Dps"
Yuko T. Sato, Shun Watanabe, Takahiro Kenmotsu, Masatoshi Ichikawa, Yuko Yoshikawa, Jun Teramoto, Tadayuki Imanaka, Akira Ishihama and Kenichi Yoshikawa,
Biophys. J., 105(4), 1037-1044 (2013).

37. "Reconstruction of active regular motion in amoeba extract: Dynamic cooperation between sol and gel states"
Yukinori Nishigami, Masatoshi Ichikawa, Toshiya Kazama, Ryo Kobayashi, Teruo Shimmen, Kenichi Yoshikawa, and Seiji Sonobe,
PLoS ONE, 0070317/1-9 (2013).

36. "Controlling negative and positive photothermal migration of centimeter-sized droplets"
Masatoshi Ichikawa, Takafumi Iwaki, Fumi Takabatake, Keitaro Miura, Nobuyuki Magome, Kenichi Yoshikawa
Phys. Rev. E 88, 012403/1-8 (2013).

35. "Plasmonic Imaging of Brownian Motion of Single DNA Molecules Spontaneously Binding to Ag Nanoparticles"
Ken Hirano, Tomomi Ishido, Yuko S. Yamamoto, Norio Murase, Masatoshi Ichikawa , Kenichi Yoshikawa, Yoshinobu Baba, and Tamitake Itoh,
Nano Lett., 13 (5), 1877-1882 (2013).

34. "Rotational motion of a droplet induced by interfacial tension"
Ken H. Nagai, Fumi Takabatake, Yutaka Sumino, Hiroyuki Kitahata, Masatoshi Ichikawa, and Natsuhiko Yoshinaga,
Phys. Rev. E 87, 013009 (2013).

33. "Physicochemical analysis from real-time imaging of liposome
tubulation reveals the characteristic of individual F-BAR domain
proteins" Tanaka-Takiguchi, Yohko; Itoh, Toshiki; Tsujita, Kazuya; Yamada, Shunsuke; Yanagisawa, Miho; Fujiwara, Kei; Yamamoto, Akihisa; Ichikawa, Masatoshi; Takiguchi, Kingo, Langmuir 29 (1), 328-336 (2013).

32. "Direct measurement of single soft lipid nanotubes: Nanoscale information extracted in a noninvasive manner," Akihisa Yamamoto and Masatoshi Ichikawa, Phys. Rev. E. 86, 061905 (2012).

31. Nupur Biswas, Masatoshi Ichikawa, *Alokmay Datta, Yuko Sato, Miho Yanagisawa and *Kenichi Yoshikawa, Phase separation in crowded micro-spheroids: DNA-PEG system, Chemical Physics Letters, 539-540(29), 157-162 (2012).

30. "Emergence of a thread-like pattern with charged phospholipids on an oil/water interface"
Hiroaki Ito, Miho Yanagisawa, *Masatoshi Ichikawa and Kenichi Yoshikawa, Journal of Chemical Physics, 136, 204903 (2012).

29. How Environmental Solution Conditions Determine the Compaction Velocity of Single DNA Molecules,
*Ken Hirano, Masatoshi Ichikawa, Tomomi Ishido, Mitsuru Ishikawa, Yoshinobu Baba and Kenichi Yoshikawa,
Nucleic Acids Res., 40(1), 284-289, 2012.

28. Micro-segregation induced by bulky-head lipids: Formation of characteristic patterns in a giant vesicle,
Miho Yanagisawa*, Naofumi Shimokawa, Masatoshi Ichikawa and Kenichi Yoshikawa,
Soft Matter, 8, 488 (2012).

27. "Spontaneous mode-selection in the self-propelled motion of a solid/liquid composite driven by interfacial instability," Fumi Takabatake, Nobuyuki Magome, Masatoshi Ichikawa, and Kenichi Yoshikawa
The Journal of Chemical Physics 134, 114704 (2011).

26. "Interparticle force in nematic colloids: Comparison between experiment and theory," Takahiro Kishita, Noboru Kondo, Kenji Takahashi, Masatoshi Ichikawa, Jun-ichi Fukuda and Yasuyuki Kimura,
Physical Review E 84, 021704 (2011).

25. "Phase behavior of crowded like-charged mixed polyelectrolytes in a cell-sized sphere," Makiko Negishi, Masatoshi Ichikawa, Masahiro Nakajima, Masaru Kojima, Toshio Fukuda, and Kenichi Yoshikawa,
Physical Review E 83, 061921 (2011).

24. Naoki Yamamoto, Masatoshi Ichikawa, and Yasuyuki Kimura, "Local mechanical properties of a hyperswollen lyotropic lamellar phase," Physical Review E 82, 021506(1-8) (2010).

23. Hitoshi Uemura, Masatoshi Ichikawa, Kimura Yasuyuki, "Crossover behavior in static and dynamic properties of a single DNA molecule from three to quasi-two dimensions," Physical Review E 81, 051801(1-7) (2010).

22. Takahiro Kishita, Kenji Takahashi, Masatoshi Ichikawa, Jun-ichi Fukuda and Yasuyuki Kimura, "Arrangement dependence of interparticle force in nematic colloids," Physical Review E 81, 010701(R)(1-4) (2010).

21. "Construction of exotic microstructures from nanoscale molecular assembly" Masatoshi Ichikawa & Kenichi Yoshikawa, (Ed. by Katsuhiko Ariga and H. S. Nalwa), BOTTOM-UP NANOFABRICATION: Supramolecules, Self-Assemblies, and Organized Films, (American Scientific Publishers, Los Angeles, 2009). Volume 4, Chapter 7, page 167-188, ISBN: 1-58883-079-9 (2009.2)

20. Yoko Shitamichi, Masatoshi Ichikawa, Yasuyuki Kimura
Mechanical properties of a giant liposome studied using optical tweezers
Chemical Physics Letters, 479 (2009) 274-278

19. Masatoshi Ichikawa, Yoko Shitamichi and Yasuyuki Kimura, Extension and measurements on multicomponent phospholipid vesicles by use of dual-beam optical tweezers, Proc. IEEE 2009 Int. Symp. MHS, 170-175 (2009).

18. Kenji Takahashi, Masatoshi Ichikawa, Yasuyuki Kimura
Force between colloidal particles in a nematic liquid crystal studied by optical tweezers
Phys. Rev. E 77, 020703(R) (4pp) (2008).

17. Kosuke Kita, Masatoshi Ichikawa, Yasuyuki Kimura,
Self assembly of polymer droplets in a nematic liquid crystal at phase separation
Phys. Rev. E 77, 041702 (4pp) (2008).

16. Masatoshi Ichikawa, Yoko Shitamichi and Yasuyuki Kimura, Extension and measurements on a phospholipid vesicle by use of dual-beam optical tweezers, Proc. IEEE 2008 Int. Symp. MHS, 71-76 (2008).

15. Kenji Takahashi, Masatoshi Ichikawa and Yasuyuki Kimura, Direct measurement of force between colloidal particles in a nematic liquid crystal, J. Phys. Condens. Matter 20, 075106 (5pp) (2008).

14. Tilt control in optical tweezers, Masatoshi Ichikawa, Koji Kubo, Kenichi Yoshikawa and Yasuyuki Kimura, J. Biomed. Opt. Vol. 13, 010503 (3pp) (2008).

13. Masatoshi Ichikawa, Koji Kubo, Shizuaki Murata, Kenichi Yoshikawa and Yasuyuki Kimura, Single cell manipulation by using tilt controlled optical tweezers, Proc. IEEE 2007 Int. Symp. MHS, 316-321 (2007).

12. Masatoshi Ichikawa, Hiroki Ichikawa, Kenichi Yoshikawa and Yasuyuki Kimura, Extension of a DNA Molecule by Local Heating with a Laser, Phys. Rev. Lett. 99, 148104 (2007).

11. Kenji Takahashi, Yoshihiko Fujiwara, Masatoshi Ichikawa, Yasuyuki Kimura, Direct Measurement of Interaction Between Colloidal Particles in Nematic Liquid Crystal, Mol. Cryst. Liq. Cryst., Vol. 475, pp. 183-192 (2007).

10. Koji Tanaka, Masatoshi Ichikawa and Yasuyuki Kimura, Nonlinear dielectric spectroscopy of MHPOBC, Mol. Cryst. Liq. Cryst., Vol. 477, pp. 195/[689]-204/[698] (2007).

9. Kazuma Tsutsumi, Koji Tanaka, Masatoshi Ichikawa and Yasuyuki Kimura, Nonlinear dielectric study of critical behavior near Isotropic-Nematic phase transition, Mol. Cryst. Liq. Cryst., Vol. 477, pp. 77/[571]-85/[579] (2007).

8. Masatoshi Ichikawa, Yoko Shitamichi, Hirohisa Tashiro and Yasuyuki Kimura, Dynamic Study of Micro-domains on a Phospholipid Bilayer Membrane, Proc. IEEE 2006 Int. Symp. MHS, 365-370 (2006).

7. Masatoshi Ichikawa, Yukiko Matsuzawa, Kenichi Yoshikawa, Entrapping Polymer Chain in Light Well under Good Solvent Condition, J. Phys. Soc. Jpn., vol.74, No.7, p.1958-1961 (2005).

6. M. Ichikawa, N. Magome and K. Yoshikawa, Rhythmic growth and collapse of a micro water droplet, Europhysics Letters, vol. 66, 545-551 (2004).

5. Koji Kubo, Masatoshi Ichikawa, Kenich Yoshikawa, Yoshiyuki Koyama, Takuro Niidome, Tetsuji Yamaoka, Shin-Ichirou M. Nomura, Optically driven transport into a living cell, Applied Physics Letters, vol. 83, 2468-2470 (2003).

4. Masatoshi Ichikawa, Yukiko Matsuzawa, Yoshiyuki Koyama, and Kenichi Yoshikawa, Molecular Fabrication: Aligning DNA Molecules as Building Blocks, Langmuir, vol. 19, 5444-5447 (2003).

3. Y. Matsuzawa, K. Hirano, A. Mizuno, M. Ichikawa, and K. Yoshikawa, Geometric manipulation of DNA molecules with a laser, Applied Physics Letters, vol. 81, 3494-3496 (2002).

2. Nobuyuki Magome, Hiroyuki Kitahata, Masatoshi Ichikawa, Shin-ichiro M. Nomura, and Kenichi Yoshikawa, Rhythmic bursting in a cluster of microbeads driven by a continuous-wave laser beam, Physical Review E, vol. 65, 045202 (2002).

1. Masatoshi Ichikawa and Kenichi Yoshikawa, Optical transport of a single cell-sized liposome, Applied Physics Letters, vol. 79, 4598-4600 (2001).

 

その他

"人工細胞システムの創成と構造制御", 濱田勉、市川正敏, 生化学第86巻第2号,pp. 209-213 (2014).

原生生物フロンティア、洲崎 敏伸 編、分担執筆 (第2章 "原生生物をより深く理解するための物理" 担当) ISBN: 9784759815177 (2014/08/20, 化学同人).

 


 

講義について

 講義情報とか。  上に戻る 

熱力学(後期・木2 主として1~2回生)
 現在、レポート等のお知らせは有りません。
やわらかな物理学(1~4回生)
 オムニバス講義です。担当回の授業中にレポート課題を出しています。

課題演習B8
 こちらを参照して下さい。
課題研究Q8
 こちらを参照して下さい。

非線形科学(~H24, 3~4回生)、実験物理学III(H24, M1~)

 

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